『奏、アイツ友達?』






『隣の席の西野渚くんだよ。今日話しかけてくれたの!』






『ふーん。』







『?どしたの、李斗。』







『別に。気をつけろよな。』







何にだろう?
変な李斗。







家に着くと、いつものように李斗は私の部屋に入ってくる。






『隣李斗の部屋なんだから、自分の部屋行きなよー。』






『いーだろ別に。』








今は訳あって、李斗と私の家族は一緒に暮らしている。
そして、私の隣の部屋が李斗の部屋なんだけど、なぜか今日は入ろうとしない。



というか、李斗はなにかあった時、絶対に私の部屋に来る。









『李斗ー?』







『あ、ごめん、なに?』







『だーかーら、李斗クラスの子にモテそうだよねーって話。』






『は?なんで?』








『んー、なんでかな?なんかわかんないけど、直感かな?』






『わけわかんね。』








私は着替え終わってベッドに腰掛ける。







『…李斗何かあった?』






『…何も。』






『…そ?』








『…奏、好きなヤツとかいんの?』








『へ?いないけど…』








『そか。ならいいや。部屋行くわ。』








『え、うん。』








李斗はバッグを持つと、足早に部屋を出ていった。