『奏、何してんの。』






『…り、李斗、私無理だよ〜。クラス発表李斗と違うクラスだったら…』






『…じゃあもうそこでじっとしてろ。俺が見てくる。』






『む、無理!李斗置いてかないで!』








私、日向奏(ヒナタ カナデ)は、クラス発表の紙を見るのを全力で拒んでいます。



高校3年、クラス発表。
3年目とはいえ、幼なじみの李斗とクラスが離れるのはいやだ。






『あ、俺あった。』







『な、何組?!』







『1。奏は〜…』








李斗の真剣な目つきを見つめる。
今にも涙が出そうだけど、頑張ってこらえる。






『あ、あった。1。』







『ほ、ほんと?!』







李斗の方を見ると、呆れたようにこっちを見ていた。





『今年もかよ。…ま、目が届かないとこにいるよりはましだけど。さ、行くぞ。』






李斗は私の頭をぽんっと叩いて、スタスタと歩き出した。