こじらせ女子の恋愛事情

「知ってるわよ。

知ってるから働いているんじゃない」

私は言い返した。

「まあ、浜崎さんみたいなまじめ人間が副業をやるとは思いませんけどね」

松坂くんが言った。

ちょっと待て、“まじめ人間”とは何だ?

私に対する嫌味も大概にしろよ、このチャラ男。

口で言うかわりに心の中で毒づいた。

「さっきの人が呼んでいた“先生”は、浜崎さん曰くあだ名だと思うことにしますよ。

浜崎さんの学生時代のあだ名は“先生”だったって」

何だ、この当てつけ感は。

バカにするような松坂くんの言い方に怒りがこみあがってきたが、ここで彼の挑発に乗ってしまったら終わりだ。

「じゃ、また月曜日に」

私は会釈をすると、その場から立ち去った。