こじらせ女子の恋愛事情

「――松坂くん…」

私の後ろにいたのは、会いたくない男ナンバーワンの松坂くんだった。

「俺もさっきまで先輩たちと飲んでたんですよ」

松坂くんはニッと笑った。

「へえ、そうなんだ…へえ」

まるで呟いているような返事の仕方だった。

「さっきの人って…」

駅の方に視線を向けながら話を切り出してきた松坂くんに、
「と、友達よ」

私は言った。

「浜崎さんのことを“先生”って呼んでましたけど」

「あ、あだ名よ!

私、学生時代に“先生”って言うあだ名で呼ばれてたの!」

我ながら苦しい言い訳である。

それでも小説家かと、自分で怒りたくなってくる。