「よかったじゃない、大好きだった横井さんとまたつきあうことになって。

これでめでたしめでたしね。

松坂くんは横井さんとヨリを戻したから、私もこれでつきまとわれることなんてないわね」

「違いますよ」

「何が?

噂は本当なんでしょう?

またつきあうことになったから、デートをしたんでしょう?」

そう言った私に、
「ですから、本当に違うんです」

松坂くんは首を横に振った。

「もういい加減に私につきまとうのをやめたら?

こんなところを横井さんに見られたらどうするの?

あいにくだけど、私はあなたの彼女になんかならないわ」

「浜崎さん…!」

私の名前を呼んだ松坂くんを無視すると、今度こそその場から立ち去った。