「ねぇ萌衣、最近なんか変だよ?」
デートをした日から数日後の朝。
由美子は真顔でそう言った。
「変…ですか…?」
「うん、変。」
「どこら辺がですか…?」
「いつも上の空ってところとか。」
「はぁ…」
いつも上の空ってどういうことだろう。
ボーッとしてるってこと?
それとも魂が抜けてるってこと?
「…い!めーいー!」
「あっ、はい。」
「もう!大丈夫?」
少しご立腹の由美子。
ほっぺたを膨らませて不満を表した。
「本当に大丈夫?
風邪引いてるんじゃない?」
「風邪…あぁ、そうかもしれません。」
「えぇ?
そうなの?大丈夫?」
「最近鼓動が異常に早くなるときがあるんです。
しかもたまにモヤモヤするし…イライラするし…
風邪だったんですね。」
寝ても覚めてもいつも涼が頭をちらつく。
これも風邪だったのかもしれない。
そう思うと納得納得。
そう自己完結しているのにも関わらず、由美子は真剣な表情で何か考えていた。
「由美子?」
「鼓動が早くなるのってどんなとき?」
私が話しかけると同時に由美子は聞いてきた。
「えっと…涼と話しているときや、涼が笑っているときですかね。」
「それじゃあ、モヤモヤするときは?」
「涼が女の子と話しているときです。」

