アキラくんがいた公園に入ると、そこにアキラくんはいなかった。 持ってきた傘の一本は私がさして、もう一本はアキラくんにかしてあげようと思っていたのに。 そこにはアキラくんがいなくて、もってきた傘の役目は果たされなかった。 「…きらい」 そうつぶやいて、また口を開く。 「…きらいになんて、なれない」 私はずっと、アキラくんが好きだったから。