「マキ。またボーッとしてる」 トンッと私の肩を叩くのは、高校でできた友達のアイリ。 私の前の席に座り、ニヤッとアイリは笑った。 「まーた“アキラくん”のこと考えてたんでしょ?」 「…どうだろうね」 「ふふっ。大好きなんだなぁ」 「…別にそんなんじゃないよ」 「素直じゃないなぁ」 私がアキラくんを気にするのは、きっと幼馴染だから。 きっと、アキラくんのことなんて好きじゃない。 きっとそう。 きらいだから。