激しい波の音。 灰色の海と、冷たい風。 どうして…わたしはこんな所にいるんだろう… 分からないまま、ただ闇雲に歩く。 「……あ」 やっと人影が見えてきた。 近付くにつれて、はっきりと容姿が見えてくる。 そう、あの人の。 足取りが早くなっていき、しまいには駆け足になる。 むこうも足音でこちらに気付いたようで、こちらを向き、優しく微笑んでくれた。 「せんせ…」 そして次の瞬間、その人は暗闇に消えてしまった。 ザパーンと、また大きい波の音がした。