「それは無理です」 わたしははっきりと言った。 これは嘘だ。 こんなに僕の心を和ませ、温かい気持ちにさせてくれるのは彼女しかいない。 僕には君しかいないんだ。 「どうしてですか」 彼女の問いにわたしは答えられなかった。 「暗くならないうちに帰りなさい」 教師としての言葉。 本当は君といつまでもここに2人でいたい。 それでも。 それでもやっぱり、わたしは教師で。 君は教え子で。