わたしはその人の全てが好きだった。 少し短めのスカート、大きめに縛られたスカーフ、肩のあたりで揃えられた綺麗な黒髪、少し角ばった文字、細くて綺麗な指、高くて綺麗な声、問題を解いてる時の真剣な表情。 「先生」 はっとする。 また見蕩れていた。 内心ドキドキしながらも、わたしは平然を装い、その子の解き終えた問題のまるつけをする。 その子、野中ゆいは、わたしの太陽だ。 そう、わたしの片想いの相手は教え子だ。