この夜は、新生姜の炊き込みご飯にした。
おかずは、ずいきとお揚げさんの炊いたん
スナップエンドウとベビーコーンのサラダ
新牛蒡と近江牛の炒めたん
じゅんさいの赤だし
デザートは、先日恭兄さまがもらってこられた、山形のサクランボ。
「うわー、私、由未ちゃんと結婚したい!すごい!」
と言ってくれてたけど、たぶん知織ちゃんの口には合わなかったんじゃないかな。
知織ちゃんは恭兄さまとは真逆で、京都で生まれ育ちながら、お母さまが東京の人なので関東のお料理に慣れ親しんでるし、今現在もおばあちゃんの作るお弁当は基本的にどれも黒い。
たまにおかずを交換すると、味付けの違いは顕著だから。
食後、恭兄さまが車で知織ちゃんを送ってくれた。
……はじめて知織ちゃんのおばあちゃんの家へ行ったけど、等々力のお家は古くて小さいながらも堅牢で独特なタイル使いの近代建築だった。
素敵!
「それじゃ、今日はありがとうございました。恭匡(やすまさ)さん、由未ちゃんのこと、お願いします。」
そう言って知織ちゃんは車を降りて、お家へ入った。
……私がお料理をしてる間に、知織ちゃん、恭兄さまに失恋のこと話したのかな。
参ったな。
恭兄さまの車に二人きりになると、私はそわそわした。
これまで恭兄さまに、和也先輩のことを話さなかったわけではない。
土日にリーグ戦を見に出てたので、当たり障りない程度に伝えていた。
前の学校でサッカー部に関わっていたこと、その時のキャプテンが関東1部リーグに1回生ながら出場するから応援に行ってること。
……まあ、バレバレか。
私は気恥ずかしくて、うつむいて黙っていた。
恭兄さまは、車を走らせながら、静かに聞いた。
「……さて……うちに帰る?どこか、夜遊びに行く?海にでも行く?それとも……京都に帰る?」
最後の言葉に驚いて、私は恭兄さまを見た。
恭兄さまは前を見つめたまま、付け加えた。
「どこでも、付き合うよ。」
京都にも!?
私は、ぽかーんと口を開けて恭兄さまの横顔を穴があきそうなぐらい見続けた。
「……あ、じゃ、夏休みになったら、一緒に京都に行きませんか?」
ちょうどいい機会だと思ったので、私は恭兄さまを京都にお誘いした。
恭兄さまは、ため息をついて、車を止めた。
「恭兄さま?」
「由未ちゃん……少し、歩こうか。」
恭兄さまに促され、車を降りる。
「足元、気をつけて。暗いから。」
よくわからないけれど、恭兄さまの背中を追う。
普通の道路ですぐそばにスーパーまであるのに、階段を降りて行くと、鬱蒼とした木々と水音が聞こえてきた。
おかずは、ずいきとお揚げさんの炊いたん
スナップエンドウとベビーコーンのサラダ
新牛蒡と近江牛の炒めたん
じゅんさいの赤だし
デザートは、先日恭兄さまがもらってこられた、山形のサクランボ。
「うわー、私、由未ちゃんと結婚したい!すごい!」
と言ってくれてたけど、たぶん知織ちゃんの口には合わなかったんじゃないかな。
知織ちゃんは恭兄さまとは真逆で、京都で生まれ育ちながら、お母さまが東京の人なので関東のお料理に慣れ親しんでるし、今現在もおばあちゃんの作るお弁当は基本的にどれも黒い。
たまにおかずを交換すると、味付けの違いは顕著だから。
食後、恭兄さまが車で知織ちゃんを送ってくれた。
……はじめて知織ちゃんのおばあちゃんの家へ行ったけど、等々力のお家は古くて小さいながらも堅牢で独特なタイル使いの近代建築だった。
素敵!
「それじゃ、今日はありがとうございました。恭匡(やすまさ)さん、由未ちゃんのこと、お願いします。」
そう言って知織ちゃんは車を降りて、お家へ入った。
……私がお料理をしてる間に、知織ちゃん、恭兄さまに失恋のこと話したのかな。
参ったな。
恭兄さまの車に二人きりになると、私はそわそわした。
これまで恭兄さまに、和也先輩のことを話さなかったわけではない。
土日にリーグ戦を見に出てたので、当たり障りない程度に伝えていた。
前の学校でサッカー部に関わっていたこと、その時のキャプテンが関東1部リーグに1回生ながら出場するから応援に行ってること。
……まあ、バレバレか。
私は気恥ずかしくて、うつむいて黙っていた。
恭兄さまは、車を走らせながら、静かに聞いた。
「……さて……うちに帰る?どこか、夜遊びに行く?海にでも行く?それとも……京都に帰る?」
最後の言葉に驚いて、私は恭兄さまを見た。
恭兄さまは前を見つめたまま、付け加えた。
「どこでも、付き合うよ。」
京都にも!?
私は、ぽかーんと口を開けて恭兄さまの横顔を穴があきそうなぐらい見続けた。
「……あ、じゃ、夏休みになったら、一緒に京都に行きませんか?」
ちょうどいい機会だと思ったので、私は恭兄さまを京都にお誘いした。
恭兄さまは、ため息をついて、車を止めた。
「恭兄さま?」
「由未ちゃん……少し、歩こうか。」
恭兄さまに促され、車を降りる。
「足元、気をつけて。暗いから。」
よくわからないけれど、恭兄さまの背中を追う。
普通の道路ですぐそばにスーパーまであるのに、階段を降りて行くと、鬱蒼とした木々と水音が聞こえてきた。



