神妙な表情に和也先輩の誠実さを感じ、私はうれし涙をあふれさせた。
「泣くな。」
そう言って、和也先輩が、またキスをしてくれた。
……3回め……どんどん気持ちよくなる気がする……
和也先輩も、ほうっとため息をついてこぼした。
「やばいな。キスってこんなに気持ちよかったんや。俺、マジでこれ以上は、押さえられる自信ないわ。帰るわ!じゃあな!」
和也先輩は背中を丸めるて歩き出した。
私は、へなへなと脱力して地面に座りこんだ。
ジェットコースターのように、気持ちが上がったり下がったりすごい日だった。
翌日、あおいちゃんが、期待いっぱいの顔で聞いてきた。
私は、ことの顛末をかいつまんで話した。
「なんやそれ!こんな美味しそうな据え膳食わんて、童貞はめんどくさいなあ!」
あおいちゃん、中身、おっさん?
「まあでも、責任取れんっちゅうのは正しいやろな。佐々木の精子って、コンドーム(ゴム)突き破って子宮に飛び込んできそう。絶対一発で妊娠するわ。」
……そんなこと、あるんですか?ないよね?元気な比喩だよね?
返事に窮してる私に、あおいちゃんは真面目な顔で、続けた。
「昨日は、ほんまにごめんな。佐々木の私への告白なんか聞きたくなかったよねえ。私、頼之さんと結婚するし、まさか今更佐々木が暴走すると思わんかってん。」
私は、苦笑して見せた。
「大丈夫、わかってたから。それに、あれで、私も吹っ切れたというか。」
あおいちゃんは、はあっと、盛大にため息をついた。
「ほんま、由未ちゃんはイイ子や~。普通の女子なら、完全に絶交されとーとこやわ。あーあ、私も由未ちゃんと一緒に東京行こうかな~。」
「私も、あおいちゃんと離れることだけが心残り……。」
そう言ってると、私の目から涙がこぼれ落ちた。
まだ1ヶ月弱あるのに、私達は別れを惜しんで抱き合って泣いた。
「イカナゴのくぎ煮は?」
3月に入ってすぐ、私は編入先の高校へ面接に行った。
その時に、恭兄さまを訪ね、神戸の春の名物「イカナゴのくぎ煮」をお届けした。
マサコさんに教わって、私が炊いたものだ。
「ちりめん山椒は好きだけど……」
恭兄さまは、その時はそんなふうにおっしゃってたのに、3月末に私が引っ越して行ったその日の夕食時、イカナゴのくぎ煮を欲しがられた。
「もうシーズン終了ですよ。また来年。」
……まあ、イカナゴは非常に鮮度の落ちるのが早い魚なので、東京にいる限り作れなさそうだが。
見るからにしょんぼりした恭兄さま……そんなに気に入ってたんや。
「泣くな。」
そう言って、和也先輩が、またキスをしてくれた。
……3回め……どんどん気持ちよくなる気がする……
和也先輩も、ほうっとため息をついてこぼした。
「やばいな。キスってこんなに気持ちよかったんや。俺、マジでこれ以上は、押さえられる自信ないわ。帰るわ!じゃあな!」
和也先輩は背中を丸めるて歩き出した。
私は、へなへなと脱力して地面に座りこんだ。
ジェットコースターのように、気持ちが上がったり下がったりすごい日だった。
翌日、あおいちゃんが、期待いっぱいの顔で聞いてきた。
私は、ことの顛末をかいつまんで話した。
「なんやそれ!こんな美味しそうな据え膳食わんて、童貞はめんどくさいなあ!」
あおいちゃん、中身、おっさん?
「まあでも、責任取れんっちゅうのは正しいやろな。佐々木の精子って、コンドーム(ゴム)突き破って子宮に飛び込んできそう。絶対一発で妊娠するわ。」
……そんなこと、あるんですか?ないよね?元気な比喩だよね?
返事に窮してる私に、あおいちゃんは真面目な顔で、続けた。
「昨日は、ほんまにごめんな。佐々木の私への告白なんか聞きたくなかったよねえ。私、頼之さんと結婚するし、まさか今更佐々木が暴走すると思わんかってん。」
私は、苦笑して見せた。
「大丈夫、わかってたから。それに、あれで、私も吹っ切れたというか。」
あおいちゃんは、はあっと、盛大にため息をついた。
「ほんま、由未ちゃんはイイ子や~。普通の女子なら、完全に絶交されとーとこやわ。あーあ、私も由未ちゃんと一緒に東京行こうかな~。」
「私も、あおいちゃんと離れることだけが心残り……。」
そう言ってると、私の目から涙がこぼれ落ちた。
まだ1ヶ月弱あるのに、私達は別れを惜しんで抱き合って泣いた。
「イカナゴのくぎ煮は?」
3月に入ってすぐ、私は編入先の高校へ面接に行った。
その時に、恭兄さまを訪ね、神戸の春の名物「イカナゴのくぎ煮」をお届けした。
マサコさんに教わって、私が炊いたものだ。
「ちりめん山椒は好きだけど……」
恭兄さまは、その時はそんなふうにおっしゃってたのに、3月末に私が引っ越して行ったその日の夕食時、イカナゴのくぎ煮を欲しがられた。
「もうシーズン終了ですよ。また来年。」
……まあ、イカナゴは非常に鮮度の落ちるのが早い魚なので、東京にいる限り作れなさそうだが。
見るからにしょんぼりした恭兄さま……そんなに気に入ってたんや。



