大学生活が始まると、恭兄さまは、目に見えて私を束縛しはじめた。
サークルにはもちろん入らせてもらえないし、歩いて行ける距離の駒場キャンパスへも車で送迎された。
「物騒な世の中だからね。あなたを守るのは僕の役目だから。」
断っても断ってもそう主張され、私は折れた。
知織ちゃんは休学していないけれど、少しずつ言葉を交わす顔見知りもできてきた。
……ただ、サークルや合コンに勧誘されると、断らざるを得ない。
恭兄さまのお迎えもあり、夜に一緒に飲みに行くことも、お泊まりすることもできないので、なかなか友達付き合いには至らなかった。
中学・高校時代のようには勉強する必要がなくなったので、私には時間の余裕ができた。
かねてからの希望通り、私は恭兄さまのもとで書を学び始めるつもりだった。
でも受験勉強に入る前は一から教えていただいていたのだが……今回はなんだか違った。
これは明らかに、実用の書だ。
「とにかく、外で書く可能性のある言葉を重点的にしようか。それから、お礼状。」
お礼状?
それは、書だけのお稽古ではないような気がする。
……いつの間にか、書を習うのではなく、花嫁修業の1つになっているようだった。
それから、土日にお出かけする機会が増えた。
……大事な場所に連れて行っても恥をかかないようにするための……練習というところだろうか。
最初は、月釜のお茶会に飛び込みで連れられた。
お茶を飲むことに関しては問題ないつもりだったが、本格的なお茶会での振る舞いは全く知らなかった!
てか、恭兄さまがどこにいても完璧なことが不思議でしょうがない。
……改めてすごい人だと思うよ。
そして、帰りには必ず伝統的なフレンチのフルコースを食べに連れていかれた。
晩餐会対策なのだろうけど、正直、飽きた。
「何で、ココは日本なのに、和食で晩餐会しないの?美味しいおだしが食べたい。」
珠玉のコンソメスープもいいけれど、やはり私は昆布と鰹のおだしが好きだ。
「……和食で晩餐会には大賛成だよ。でもこっちのおだしは……」
恭兄さまが苦笑して言葉を濁す。
「恭兄さまが、京都の和食にこだわる理由がやっとわかったわ。あ~、お茶漬け食べたい。お腹はいっぱいやのに、お茶漬けが恋しい。」
帰り道には、必ずそんな会話をしながら帰宅した。
サークルにはもちろん入らせてもらえないし、歩いて行ける距離の駒場キャンパスへも車で送迎された。
「物騒な世の中だからね。あなたを守るのは僕の役目だから。」
断っても断ってもそう主張され、私は折れた。
知織ちゃんは休学していないけれど、少しずつ言葉を交わす顔見知りもできてきた。
……ただ、サークルや合コンに勧誘されると、断らざるを得ない。
恭兄さまのお迎えもあり、夜に一緒に飲みに行くことも、お泊まりすることもできないので、なかなか友達付き合いには至らなかった。
中学・高校時代のようには勉強する必要がなくなったので、私には時間の余裕ができた。
かねてからの希望通り、私は恭兄さまのもとで書を学び始めるつもりだった。
でも受験勉強に入る前は一から教えていただいていたのだが……今回はなんだか違った。
これは明らかに、実用の書だ。
「とにかく、外で書く可能性のある言葉を重点的にしようか。それから、お礼状。」
お礼状?
それは、書だけのお稽古ではないような気がする。
……いつの間にか、書を習うのではなく、花嫁修業の1つになっているようだった。
それから、土日にお出かけする機会が増えた。
……大事な場所に連れて行っても恥をかかないようにするための……練習というところだろうか。
最初は、月釜のお茶会に飛び込みで連れられた。
お茶を飲むことに関しては問題ないつもりだったが、本格的なお茶会での振る舞いは全く知らなかった!
てか、恭兄さまがどこにいても完璧なことが不思議でしょうがない。
……改めてすごい人だと思うよ。
そして、帰りには必ず伝統的なフレンチのフルコースを食べに連れていかれた。
晩餐会対策なのだろうけど、正直、飽きた。
「何で、ココは日本なのに、和食で晩餐会しないの?美味しいおだしが食べたい。」
珠玉のコンソメスープもいいけれど、やはり私は昆布と鰹のおだしが好きだ。
「……和食で晩餐会には大賛成だよ。でもこっちのおだしは……」
恭兄さまが苦笑して言葉を濁す。
「恭兄さまが、京都の和食にこだわる理由がやっとわかったわ。あ~、お茶漬け食べたい。お腹はいっぱいやのに、お茶漬けが恋しい。」
帰り道には、必ずそんな会話をしながら帰宅した。



