「え!あの!大丈夫ですかっ!!由未ちゃん?あ、いた。どうしよう?」
静稀さんが、片膝をついて頭を右手で抑えて苦しそうな恭兄さまのそばにしゃがみこみ、私を見上げた。
私は、何だか見ていられなかった。
恭兄さまの弱ってる様子に苛立ちを覚え、どんどん心がねじくれた。
私は無言で2人のそばをすり抜けて、外へと飛び出した。
「由未ちゃんダメっ!逃げちゃダメだって!」
静稀さんの声に振り向いたけど、足は止まらなかった。
今度は、財布すら持たずに、ただその場から逃れた。
遠くにキラキラ輝く海を眺めつつ坂を下りる。
我ながら、何やってんだろう。
自分で自分をもてあます。
駅まで下りたけど、切符も買えない。
とりあえず歩いて行けるところを考える。
あおいちゃん家(ち)まで1時間では着かないかな。
でも他に行くあてもない。
ま、いっか。
歩き出そうとしたところで、肩に手が置かれた。
「捕まえた。」
携帯電話を耳にあてながら、私を捕獲したのは、彩乃さんだった。
「彩乃さん……。」
涙がぶわっと溢れた。
「……え?……いや、泣いてる。ああ。……俺?なんで?……ふうん?……わかった。じゃ、あとで連れてく。」
電話を切っても彩乃さんは、私の肩をキープしてた。
「よくわからんけど、お前、結婚相手から逃げてるん?」
「……今は。」
「ふうん?……不幸やったら、やめたら?もともと結婚する年齢(とし)ちゃうやん。」
私はびっくりして、彩乃さんを見上げた。
「やめてもいいもんなん?」
「まだ結納前やろ?全然ええやん。」
私の気持ちが、ふわっと軽くなった。
暗かった視界まで明るくなった気がする。
「彩乃さん、すごいねえ。男前や〜。あのねニュートラルな意見が聞きたいねん。彩乃さんとこの話聞きたい。」
彩乃さんは私から手を放して苦笑した。
「……ニュートラルかどうか知らんけど。ほな、そこ、入ろうか。」
私たちは、チェーン店のカフェに入った。
当然のように私の分も払ってくれた彩乃さんにお礼を言って、奥のソファ席でくつろいだ。
「お。義人からライン。今、セルジュから連絡もろたらしい。これから向かうって。」
「今?」
……じゃ、恭兄さまは、兄からの連絡で来たんじゃないんや。
よくこっちにいるって、わかったなあ。
「で?オオゴトになっていくけど、お前、大丈夫?流されてんと、ちゃんと自分のことは自分で決めや。」
「流されやすいんかな、やっぱり、私。」
しょんぼりした私に彩乃さんは苦笑した。
「よく言えば、素直で従順やと思うで。せやし、我(が)ぁ張ってるん、珍しいわなあ。どしたん?ゆーてみ。」
私は頷いて、口を開いた。
静稀さんが、片膝をついて頭を右手で抑えて苦しそうな恭兄さまのそばにしゃがみこみ、私を見上げた。
私は、何だか見ていられなかった。
恭兄さまの弱ってる様子に苛立ちを覚え、どんどん心がねじくれた。
私は無言で2人のそばをすり抜けて、外へと飛び出した。
「由未ちゃんダメっ!逃げちゃダメだって!」
静稀さんの声に振り向いたけど、足は止まらなかった。
今度は、財布すら持たずに、ただその場から逃れた。
遠くにキラキラ輝く海を眺めつつ坂を下りる。
我ながら、何やってんだろう。
自分で自分をもてあます。
駅まで下りたけど、切符も買えない。
とりあえず歩いて行けるところを考える。
あおいちゃん家(ち)まで1時間では着かないかな。
でも他に行くあてもない。
ま、いっか。
歩き出そうとしたところで、肩に手が置かれた。
「捕まえた。」
携帯電話を耳にあてながら、私を捕獲したのは、彩乃さんだった。
「彩乃さん……。」
涙がぶわっと溢れた。
「……え?……いや、泣いてる。ああ。……俺?なんで?……ふうん?……わかった。じゃ、あとで連れてく。」
電話を切っても彩乃さんは、私の肩をキープしてた。
「よくわからんけど、お前、結婚相手から逃げてるん?」
「……今は。」
「ふうん?……不幸やったら、やめたら?もともと結婚する年齢(とし)ちゃうやん。」
私はびっくりして、彩乃さんを見上げた。
「やめてもいいもんなん?」
「まだ結納前やろ?全然ええやん。」
私の気持ちが、ふわっと軽くなった。
暗かった視界まで明るくなった気がする。
「彩乃さん、すごいねえ。男前や〜。あのねニュートラルな意見が聞きたいねん。彩乃さんとこの話聞きたい。」
彩乃さんは私から手を放して苦笑した。
「……ニュートラルかどうか知らんけど。ほな、そこ、入ろうか。」
私たちは、チェーン店のカフェに入った。
当然のように私の分も払ってくれた彩乃さんにお礼を言って、奥のソファ席でくつろいだ。
「お。義人からライン。今、セルジュから連絡もろたらしい。これから向かうって。」
「今?」
……じゃ、恭兄さまは、兄からの連絡で来たんじゃないんや。
よくこっちにいるって、わかったなあ。
「で?オオゴトになっていくけど、お前、大丈夫?流されてんと、ちゃんと自分のことは自分で決めや。」
「流されやすいんかな、やっぱり、私。」
しょんぼりした私に彩乃さんは苦笑した。
「よく言えば、素直で従順やと思うで。せやし、我(が)ぁ張ってるん、珍しいわなあ。どしたん?ゆーてみ。」
私は頷いて、口を開いた。



