……あら?また、「はしたない」って言われる?

ちょっと不安になったけれど、恭兄さまは、黙ってうなずいた。
釣られて、私も会釈する。

恭兄さまは私の膝裏に腕を入れて、私を抱き上げた。
「きゃっ!」
「暴れると危ないよ。」
慌てて恭兄さまの首にしがみついた。

「あの……」
もしかして……
ドキドキする。
まだ明るいし……てか、めっちゃ日中やし。
でも、この流れは……

恭兄さまは、私を抱き上げたまま寝室へ戻ると、先ほど片付けてなかったお布団にそっと私をおろした。
わぁ……
心臓がドキドキドキドキ、うるさいぐらい響く。
てか、私だけじゃなく、恭兄さまの心臓の音も聞こえる気がする。

「……怖い?」
自分では意識してなかったけれど、私は震えていた。
「怖くない。けど、身体が勝手に……」

恭兄さまは、私の横に添い寝しつつ、横から私を抱きしめた。
「大丈夫。震えが止まるまでこうしてるから。」

心臓が甘く疼く。
優しく大切にしてくれる恭兄さまに、私はうれしくて自分からすり寄った。

恭兄さまが、私の髪を撫で、顔中にキスを落とす。
唇にキスをねだると、ゆっくり、そーっと恭兄さまは深いキスをくれた。
気持ちいい……。
ぞくぞくする。

私がうっとりしてるのを確認して、恭兄さまの手が私の服を脱がせていく。
怖くはない。
でも恥ずかしくて、きゅーっと身体が縮む。
「……あの……」
電気を消して、って言おうとしたけど、最初からついてない。
陽光が燦々と入ってきているだけだ。

「なぁに?」
恭兄さまの声も口調もとろけそうに甘~い。

「……明るくて、恥ずかしい……です……」
するすると脱がされていくので、私の声がどんどん小さくか細くなる。

「……綺麗だよ……大丈夫だから。恥ずかしがらないで。」
そんな風に言ってもらっても、やっぱり恥ずかしくて、私はつい掛け布団に手を伸ばして開かれた
胸元を隠そうとした。

恭兄さまは、苦笑したけれど、無理に引きはがそうとはしなかった。
その代わり、腰をぐいと抱き寄せられる。
あ……そっち……。
上半身を隠したことで、下半身は全く無防備になってしまった。

じたばたしてもびくともせず、私の身体がどんどん開かれていく。
全身が性感帯になってしまったみたい。
私の身体から力が抜けていく。
抱きしめていたはずの掛け布団に顔を埋めた。

たっぷり時間をかけて、身体の芯までとろかされた。
ぐったりしている私が落ち着くまで、恭兄さまは私を抱きしめて待ってくれた。
真っ白に霞む頭では何も考えられず、途切れた言葉をつなぐこともできず、自分じゃないような甲高い声をあげ続けた。
時間をかけて、何度も何度も気持ち良くしていただいてから、恭兄さまと結ばれた。
痛みは、感じなかった。
むしろ……気持ちいい?
甘く疼くような、もどかしいような快楽に震えた。

気づけば、夕方になっていた。
うーん。
確かにこれは、受験が終わるまで、やめといたほうがいいのかも。
私はそんなふうに思いながら、寝入ってしまった……恭兄さまの胸で。

世の中にこんなに幸せなことがあるんだろうか……。
愛する人と結ばれた幸せに、私は夢の中でも満たされていた。

私の世界が変わる。

薔薇色に。