今日の槇は、何も言わずに黙々と勉強してる。

あたしが話しかけても無視。


…おかしすぎる。


「まーき」

「槇くーん」

「山本さーん」


どんなに声をかけても無視。

だんだんこっちも腹が立ってきた。


あたしは、勉強する手を止めて、槇の方へとまわりこんだ。

そんなあたしにも気付かないほど、槇は勉強に集中している。


そんな槇の横腹を、あたしは思い切りこそばした。


「ちょちょちょ、綾子っ…やめっ…」


苦しそうに体を捻る槇。

それを見たあたしは、こそばすのをやめた。


「いきなりなんだよ」


顔を歪めて、あたしを見る槇。

その顔は少し怒ってるぽい。


槇はすぐ怒るから困る。