「槇、試合いつー?」
槇なら絶対勝ってると思って聞いたんだけど。
「あ? 1回戦負けだよ、1回戦負けっ!」
「え、うそ?」
悔しそうに言う槇が、なんだか哀れに思えて。
思わず笑ってしまったあたし。
「何笑ってんだよ!」
少し赤くなって、あたしに向かって突っ込む槇が、
おかしくてたまらなかった。
その日の帰り、槇に会った。
「お疲れっ!」
「ん。綾子もお疲れ」
普通に“綾子”って呼んでくれる槇が嬉しくて。
もっと槇と仲良くなりたいって思った。
「槇、また今度の大会でも話してくれる?」
そう問いかけると、槇はサラッと言った。
「友達だろ? 当たり前じゃん」
正直、やられました///
反則だよねぇ!?
誰だって照れるし、顔だって赤くなっちゃう。
そんなあたしを見た槇も、顔が赤かったのは気のせいかな?

