「…お前が、ゼリーくれた時から」


小さな声で呟く裄。

隙間からチラッと裄を見上げると、

その顔はトマトのように真っ赤で。

多分この顔を見られたくなくて、この状態なんだろうな。

なんだかおかしくて、笑ってしまった。


「…何、笑ってんだよ」

「んー、別にぃー」


クスクスと笑うあたしの頭を撫で、そのまま下に下がってきた裄。

同じ位置に顔があって、見つめ合うあたしたち。

そしてそのまま、裄の顔が近付いてくる。

目を瞑ると、落とされたキス。


「あの時からずっと、俺はお前しか見てねぇから」

「…うん」


裄のまっすぐな瞳に、頷くことしかできなかった。

胸がドキドキして、止まらない。


あたしはもう一度、裄の腕の中におさまった。