弥生のポッキーを、あたしも勝手に口に運んだ。


「寂しいもん同士ぱーっとね」


実歩子も賛同するように言った。

けれどあたしは。


「あっ、でも香波は梨元くんと過ごすよね」


思い出したように実歩子が言う。


そう。
クリスマスはもう遼多と約束してる。

イブの日に1日出掛けたあと、遼多の家にお泊まりなんだ。


「いいよねー、彼氏持ちはっ。
しかもあの梨元くんだしさ」


ポッキーをくわえたまま、弥生は呟いた。


遼多はすごくモテる。

あたしと付き合う前も、付き合ってからも。


少し童顔な整った顔に、細身の体。

けど筋肉はちゃんとついてて、きれいな体のラインをしてるんだ。

そして、お姉ちゃん思い。


モテないわけがない。