「そんなやつのどこがいいわけ?」


そんなやつって…

自分のことなのに(笑)


「えー。なんかね、いろんなことにまっすぐなの。部活中とか特にね」


ここまで言ったら分かっちゃうかな?って思ったけど、

遼多の表情的に分かってないみたい。

ほんとに鈍感なんだから。


「普段からまっすぐなんだけどね、キャプテンになった途端、もっとまっすぐになって」


ここまで言ったら、もう分かるよね?


遼多は、勢いよく顔を上げた。

びっくりした表情で、あたしを見つめている。

あたしは微笑みながら、最後に一言付け足した。


「そんですっごいお姉ちゃんっ子のバカ!」


バド部にお姉ちゃんっ子なんて、遼多しかいないよ…