赤くなる、遼多の顔。
遼多は本当にお姉ちゃんの浅海さんが好きで。
いい意味の、お姉ちゃんっ子。
赤くなって焦る遼多がなんだかおもしろくて。
あたしは思わず笑った。
「なあ、香波」
「ん? なにー?」
笑いながら、遼多の言葉に相づちを打つ。
すると。
「香波はさ、好きなやついんの?」
突然の、遼多からの問いかけ。
「いるよー」
あたしは笑顔で返した。
なんか、怖くないかも。
このまま、気持ち伝えられたらいいのに。
「それって、どんなやつ?」
そう聞かれて、あたしは迷わず答えた。
「えっとねー、バカで口悪くてどうしようもないやつ!」
でも、優しいんだよ。

