「遼多?」

「わっ! 香波!!///」


遼多はなぜか、椅子に座って頭を抱えていた。

そんな遼多の顔を、あたしは下から覗きこんだ。

びっくりして、声をあげる遼多。


「どうしたの?」


とりあえず聞いてみると、


「いや、なんでもねぇ……お前こそ、どうしたんだよ」


少し小さな声で呟いた。

無視されないか不安だったから、ひとまず安心した。


「由真が陸と行っちゃったでしょ? だから遼多、寂しいんじゃないかと思って」


遼多の様子をうかがうように、からかいの言葉をかける。


「なんだよそれ。俺そんな寂しがり屋じゃねーし」

「そうだっけー? あんなに浅海さんにべったりだったのに」

「なっ……!///」