ぬいぐるみ少女の呪い

あたしは駆け出した。

何処へなんて考えている暇なんてない。

とにかく、安全な場所へ逃げなきゃ……!!

そ、そうだ…警察に連絡すれば…!

制服のポケットに手をいれるが、携帯が見当たらない。

まさか、鞄の中に…!?

あたしは、後ろや辺りを警戒しながらも、自分のクラスに向かった。

教室には、まだ無惨に転がっている死体が残っている。

あたしは、自分の鞄を手に取り、中を探る。

……あれ…ない…?

『探してるのは、これかな~?』

後ろから声がして、振り返る。

「り、梨杏ちゃん…!?」

羊のぬいぐるみはいない。

梨杏ちゃんの手には、あたしの携帯が握られていた。

「そ、それ、返して…?」

『えぇ~…、うーん…。分かった!!いいよっ』

ニッコリと笑って、あたしの手に携帯をおく。

よ、よし、これで警察に連絡ができる…!

これで助かるんだ……!!

あたしは直ぐ様電源をいれて、110と打つ。

コール音のあと、がちゃ、と、電話にでる音がした。

「あ、あのっ!!あ、あたし、真宮中学校の生徒の者なんですが、あの、クラスメイトが…」

「……杏お姉ちゃん、お巡りさん呼んでも無駄だよ?フフフッ♪」

「……!!?梨杏ちゃん…!?」

あたしは、目の前の梨杏ちゃんに視線を向ける。

笑顔で、携帯を手に、あたしに話しかけていた。

道理で、横からも声がすると思ったら…!

『助からないよ。だって、ここには、お姉ちゃんと梨杏と、ぬいぐるみさんたちしか入れないから』

「入れないって…どういうこと!?」

『この学校の人は、みーんな異界に飛ばして、クラスメイトさんたちは梨杏が殺して、学校に結界を張ったの。だから、一般人さんからしたら、普通に学校生活が送られているようにみえるの。簡単に言うと、ここは現実じゃない別世界ってわけ~♪♪』

楽しそうにニコニコと笑いながらそう言う梨杏ちゃん。

その笑みが、可愛らしいものの裏に、おぞましかった。

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