「くるみ、お前は向こうがどんな情報を欲しがっているのかの探りを入れろ。

ただ、何聞かれても全部を馬鹿正直には答えるなよ。」



「じゃあ張り切って嘘つきますね!」



「全部が嘘じゃダメだよ。それじゃあ向こうがくるみを信用しなくなる。

信用されなくなったら…いや、不信感を抱かせたらくるみはもう全校生に正体をさらされると思った方がいい。

だから、向こうに渡す情報は慎重に選ばなきゃ。」




「でもそうしたらみなさんが捕まっちゃいますよ?」



「そこは逃げればいい話だ。心配いらない。」



「嘘には少しの真実を混ぜなければいけないって聞いたことあります。だから、くるみは副会長に信頼されるための真実を混ぜながら嘘をつかなきゃ。」



「…陣野くん、あたしにそんな高度なこと要求するのかい…?」



「何言ってんだ、お前そういう分野に関してはオレよりも得意だろ。前までのお前のやり方で大丈夫だ。

敵を欺くことにおいてお前ほど適任はいねえよ。」




「え、くるみってそうなんっすか?」



「こいつの雰囲気が相手を油断させるのには最適なんだよ。

しかも普段からテキトーしてっからなにが真実なのか、腹ン中でなに考えてんのかさっぱりわかんねぇ。

真実と嘘と冗談と本気がごっちゃまぜだからな。」




「あぁなるほど。」



「そんな分野で認められるとか不名誉すぎる。てか銀次郎も納得すんなし。

あたしほど正直で素直でありのーままのー姿みせーるのよーな人間いないでしょうに。」




「な?」




な?じゃないっすよ本当にもう。