「で、副会長の沼田先輩にみなさんのこと裏切れって言われたんで、裏切りますね。」




その日の放課後、いまだ全くあたしを信用していない銀次郎が教室までお迎えに来やがったので、大人しく連行されて本部まできた。



そして、沼田先輩との接触を噂で聞いた海先輩と葛西先輩に事情を説明しろと詰め寄られたあたしは、言われたことをそのままそっくり4人に伝えた。





「……ひとつ確認なんだけど、その話ってオレたちにしてもよかったの?」



別に他の人に言ったらダメよなんて言われてないので、言ってもいいよねくらいの考え方だ。



あれ?ダメだったかな?

裏役員やりますとは返事をしたけど、ヒーロー部の活動に参加しないとも言ってないから、セーフだよね?


別にあたしルール違反してない。




「大丈夫なんじゃないっすかね?何にも言われてないっす。」



「そう言うのって、暗黙の了解的に黙っておくものじゃないのかな…?」



「ダメならダメって言ってくれないと。今回はダメと言われなかったからみなさんにお伝えしただけです。まぁ、ダメって言われても言ってたとは思いますがね。」




だってマリリンに黙っとくなんて無理な話だし。

結局言うことになっていた。




「こっちとしてはこの馬鹿正直が話した方が動きやすいし今後の対策も考えられるんだ、別にいいだろ。

沼田がこいつのアホさ加減を読み誤ったのが悪い。」




「海先輩に馬鹿とかアホとか言われるのってなんかムカつきます。」



「うるせえよ。敵陣にのこのこついて行くように育てた覚えはねえぞ。」



「海先輩に育てられた覚え自体ないっすからね。」



「そういうこと言ってんじゃねえってことはわかってんだろ。」