教室に戻る直前に葛西先輩と海先輩が難しい顔をしてあたしを呼び止めた。



「勝也先輩たち以外にもくるみの事を知っている奴がいるかもしれないからくれぐれも気を付けてね。

基本的に文彦も修二もいるし、くるみには江橋もいるから大丈夫だと思うけど、1人での行動は避けた方がいいかも。

オレと海も注意して見ておくけど、くるみも警戒しておいて。」




「…その場合、あたしは誰に標的にされるんですかね?この活動を疎ましく思っているのは教師とか風紀とかですよね?」



「それもあるけど、オレたちに一回やられたやつらの中に復讐願望があるやつらもいるかもだし、興味本位で近づくやつもいるかも。」



「まぁ、全体的に敵だと思っておけばオッケーだろ。」


「学校全部が敵って…」



「くるみなら大丈夫だろ。なんかあったら助けてやっから心配すんな。」




わしゃわしゃとあたしの頭をかき混ぜる海先輩の手を頭を振って落とす。



「呆れてるだけで心配はしてないっす。あ、この話はマリリンにしてもいいですか?」


「そうだね、もういっそ江橋もこっちに引き込むか?」


「あいつはくるみの味方だからもはやこっちに引き込まれてんだろ。江橋にも言って大いに助けてもらうといい。

ま、今も十分ベッタリみたいだし大丈夫だろうけど。」



「あいつくるみのこと大好きだもんな。」




「何言ってんすか。あたしの方が大好きですから。じゃ、マリリンにも巻き込まれてもらうんで。戻ったら話してみますね。」