「くるみ。」

そこで、陣野君から声がかかる。その声は固い。



「くるみが思ってる以上にこの活動って危険が多いんだ。敵も多い。だから適当にじゃなくて真剣に考えた方がいいと思う。」



あたしは無理やり入れられたんだという言い訳は今更できないところまで来ているのは分かっている。


でもどこかであたしは4人とは別という意識があったのも確かだ。



「くるみ一人ばれたところからオレたちを割り出すことはたぶん簡単だ。

特にオレと文彦は最近絡みが増えたからばれるのも時間の問題だと思う。」




タロー先輩が言っていたのが本当だとすれば、この活動を煙たがっている人たちがこの学校にはそれなりの人数いる。


その人たちの耳に入ってしまったらこの活動はどうなるんだろう。




「…これからは気をつける。それに、連絡も無視しません。ごめん。」



あたし一人ばれたところでと思っていたのは間違っていたようだ。


あたし一人を発端にみんなのことがばれたらこの活動はなくなってしまう。




あたしはまだこの活動のことよくわかってないけど、この人たちがここを大切にしているくらいはわかる。


それを新入りのあたしがぶち壊していいものじゃない。



「すみません、ちょっと質問いいですか?」