しかもこのマリリンという男、頭も悪くないし芸術的センスも優れているらしい。
運動だって人並み以上。
彼はきっと天に愛されている人物なんだろう。
そんな彼をイケメンに飢えた女子高生が見逃すはずもなく、入学当初はかなりの女の子たちに囲まれていた。
しかしそこは流石のマリリンである。
何人たりとも自分に近づくなオーラを盛大に振りまき、孤高のマリリンとなったのである。
いや、あたしが隣にいたから孤高ではないか。
そう、あたしはそんな近づくなオーラをまるっと無視してマリリンの隣にいた。
そしてマリリンもそんなあたしを許してくれていた。
きっと自分に懐いてくる犬かなんかと勘違いしたんだと思う。
その証拠にマリリンはいっつもあたしを手懐けるためのお菓子とか牛乳とかをもっている。
何かあってもお菓子ですぐに懐柔される単純なのがくるみちゃんなのである。
自覚はあるので心配はいらないと自分では思っているが、前にマリリンにその話をしたら無言で殴られた。
あれは痛かった。

