「オレはお前個人に恨みはない。ただ、おもしろい話を聞いたからな。」
「…その面白い話っていうのは…?」
「自分の胸に聞いてみろよ。思い当たるもんがあるだろう。」
こんな場面でそんなクイズ始まっちゃいます?
あたしのおもしろい話なんて特に思い当たらん場合はどうしたらいいんだろう。
「あーえー…っちょっと待ってくださいね。考えます。早押しクイズということでいいですか?」
「…早押しもなにも解答者はお前しかいないだろうが。」
「それもそうですね。ご丁寧に対応していただきありがとうございます。」
無駄に丁寧に返答をくれるお兄さんリーダーに感謝を伝えるとちょっと引かれた。
褒めただけなのに。
「あー、っと。すみません、何も思い当たらないんですけど。」
「…お前、ちょっとでも真剣に考えたか?」
「すみません早押しクイズじゃないんだなってことしか考えてないです。」
お兄さんリーダー、頭抱えないで。
「こいつ、マジでふざけてる!自分の状況理解してないの?!」
またお姉さんリーダーが騒ぎだしてしまった。
それにつられてその他のお姉さんたちも騒ぎ出す。
お兄さんチームは相変わらずニヤニヤするのみ。隠密部隊はニコニコ。
「状況としては人気の無い密室で理由も分からずおそらく先輩であろう人たちに囲まれている、という感じですかね。それ以外はちょっとわかんないっす。」
「なんでそこまでわかってて危機感ゼロなの?!バカなの?!」
「あーそれに関しては毎日のように周りの人たちに馬鹿だアホだと言われているので、馬鹿なんだと思います。」
正直にそう告げるとお兄さんチームはため息をつき、お姉さんチームは怒りに顔をゆがませた。
「で、結局なぜあたしはここに連れてこられたんですかね?ちょっと自分の胸に問いかけても何も答えてくれないので、教えてもらってもいいですか?」
お兄さんリーダーにそう聞くと、またニヤニヤ顔が復活する。
「仕方ねえから教えてやるよ。このままじゃ話が進まねぇ。」
なんか胸くそ悪いこと言われるんだろうなっていう予想はできた。

