ひとしきり頭を撫でてくれた委員長が、そっと手を離した。
あたしの周りには頭を撫でてくれる人がたくさんいて嬉しいな。
委員長は少しぎこちないけど、一生懸命撫でてくれるから好きだ。
「さっきの話だけど。」
「どの話です?おせんべいの話?」
「違う。江橋の話だ。」
「マリリンがヒーロー部って話ですか?」
「あぁ。牧村はどう思う?」
「さっきも言ったじゃないですか。マリリンは違いますよ。あたしといつも一緒にいるし、部活も忙しいので。」
「でも、もし牧村もヒーロー部なら、その話は意味がないものになるよな。」
「あたしがヒーロー部?」
「違うのか?」
「あたしはマリリンと違って暇ではありますが、そんな戦ったりとかできませんよ?」
あぁ、どうしてくれよう。
やっぱり今日は来ないほうが良かったか。
攻め入るつもりが攻め込まれている。
委員長は仕事モードなんだろうな、目をそらすことなく話を進めるつもりみたいだ。
「この間の須藤の話。投げたって。」
「だから、柔道の授業で。」
「大文字と幼馴染で、遊んでいたんだろ?」
「小学生の戯れですよ?」
「大文字の噂はいろんなところから聞いている。
中学の時の暴れようも、一緒につるんでいた仲間のことも。」
…おいおい、結局バレるのは海先輩のところからかよ。
「大文字が中学のとき、隣には女がいることが多かったらしい。」
「そうですか。」
「それに、この間の小竹の報告では、ヒーロー部にも女がいるらしい。」
委員長の中で、あたしはもう黒確定なわけですね。
全く、それならそうと、余計な話をせずに最初から言ってくれればいいのに。
「牧村、お前だろ?」

