「まぁ、結成理由はおいおいゆっくり話すとして、言いだしっぺは海なんだ。だけど1人じゃできないこともあるからってオレも混ざったの。」



「それはそれは…海先輩がご迷惑をおかけしたようで…」


「あはは。でもまあ、ね。意味のあるものだし!それに、男は誰でも一度はヒーローに憧れるものだからね!」




その憧れは小学校で卒業してほしかった。


「で、オレたちが去年二人で活動し始めて、今年は文彦と修二をスカウトして4人で活動してたの。で、くるみちゃんが5人目!」


「勝手に数にカウントしないでください。」


「だってヒーローと言えば5人組がセオリーでしょ?それに絶対一人は女子がいる!」


「そのセオリー知らないです。」




「その計算で行けば俺は入隊できないっすね。授業に戻っていいっすか?」




ここにきてずっとだんまりだったマリリンが口を開いた。

こいつ、黙って話しを聞いてると思ったらまたあたしを見捨てる気か!




「マリリン!ヒーローものはだいたい後からブラックとかゴールドとかチートな奴が出てくるから!マリリンはそのポジションでいいと思うな!」


「お前必死かよ。」

「必死だよ!」



悪いか!あたしの平穏ライフのためだ!必死にもなるわ!



「うーん。オレの理想形はくるみちゃんを入れた5人で完成なんだけど、確かにくるみちゃんの意見も一理あるよね。」



「あ、俺部活あるんで無理です。すぐ現場に駆け付けられないので。」




え、そこで部活出してくるのってズルい!


たいして行ってないくせに作品だすと簡単に賞とか取ってくる美術部ズルい!

軽くチートでイケメンマリリン馬鹿ヤロウ!



「そっか、江橋は忙しい身だもんな。じゃあ、ここで見聞きしたことは他言無用ってことでよろしくね。」



「それはもう。俺口固いんで。」


じゃ、くるみがんばれよ。

とあたしの頭をポンポンと撫でて、部室から出ていったマリリン。



「え、マリリン行っちゃヤダー!マリリンのバカー!!」




無情にもあたしの叫びにマリリンが応えてくれることはなかったのであった…