あたしと海先輩との言葉の応酬をとめたのは葛西先輩。
「海、女の子相手に口が悪いぞ。」
「オレにケンカ売ってくるこいつが悪い。」
この小っちゃい先輩は、昔から身長に関わることで馬鹿にされるのが大嫌いなのだ。
小学校中学校と背の順に並べば一番前。
前ならえをするときはいつだって先頭で腰に手を当てていたのだ。
そして、そのことで馬鹿にするデカい奴ら。
海先輩が受ける悪口はいつだって「チビ」だ。
大文字という名字をもじって「小文字」と言われている時もあったな。
そんな輩たちに小さくたって強いんだぞということを見せつけるためにケンカでは絶対に負けないというしょーもない信念を掲げ、そしてできあがったのが今の海先輩だ。
確かにケンカは一級品だ。
けど、どうしようもなく馬鹿だ。
「くるみちゃんは、海と知り合いなのかな?」
「はぁ、まあ不本意ながらそうですね。」
「なにが不本意だ。小学生の頃はよくオレに泣き付いてきてたくせに。」
「そんな過去の栄光を引ずるって見苦しいですよ。」
「中学の時ケンカに加勢してやった恩は忘れたのかなー?」
「…その小さい脳みそでは覚えていないかもですけど、テスト前いつも後輩ながらに勉強見てあげてたのは誰でしたっけね?」
「もう海は黙ってろ。話しが進まない。」
また葛西先輩に止めて頂いた。
この人はもしかしたら噂よりも常識人なのかもしれない。

