仕方ない、委員長と遊んでくるか。




「あれま、いいんちょーじゃないすか!この間はどうも。

うちのクラスに何か御用でございますか?」





視線を向けたときに目が合ってしまったのでしらばっくれることもできないと悟り、委員長に絡む。



駆け寄ってにっこり笑いかければ、ぷいっとそっぽ向かれた。


そんなにあたしが嫌いかあんたは。




「…お前に用事だ。」


「え、あたしなんか悪いことしましたっけ…?」


「そういうことではない。いいから来い。」




この間よりも会話がスムーズだ。

しかもそっぽは向いているが、風紀委員長としての威厳的なものは保っている。



なるほど。

これは、風紀委員長としての表向きの顔な訳だな。



眉間に皺を寄せて不機嫌そうな顔で話す委員長。



確かにこの程度であれば女子が苦手だというふうにはとらえられないだろう。



もっと観察してやろうと企んで笑顔を張り付けて委員長の視線の先に入り込むように移動する。




「ここではできないお話しで?」


またそっぽを向かれた。



「そうだ。」


「やっぱり悪いことして怒られるんや…何したっけあたし。職員室のおせんべい食べたことかな…」


「…早く行くぞ。」


「あ、ちょっと待ってくださいね。マリリーン!

ちょっと風紀室に連行されるわ!怒られてくるね!」



「お前な、それがこれから怒られるやつのテンションかよ。

ちょっとはしょんぼりして行け。」



しょんぼりって、マリリンの言葉のチョイス可愛すぎな。




「おっけ!しょんぼりマンくるみ行ってきます。」




マリリンと銀次郎が『馬鹿だ』『あほだ』と言っているのはばっちり聞こえていますので、あとで訂正しておこう。


これは演技だから!

対風紀委員長用のお馬鹿なくるみちゃんだから!



「いいんちょ、行きましょう!」



ぷいっとそっぽ向かれるのにももう慣れたからね。


というか、そっぽ向くってことはそれまではあたしのこと見てたってことだからね。


名探偵くるみちゃんそこら辺ちゃんと気付いてるからね。