「そういえば、銀次郎は何しに来たんだい?」


「今更すぎな…これ、読んで。」





銀次郎が差し出してきたスマートフォンの画面をのぞき込むと、ヒーロー部のメッセージのやり取りの一部を読むことができた。



あたしは序盤でヒーロー部ラインからは脱退しておいたから知らない話だ。





内容としては、前に生徒会室で相対した濡れ衣着せ元風紀の先輩が自分の罪を認めてかっちゃん先輩と生徒会に謝ったということ、

風紀委員長からも謝罪を受けたこと、

生徒会がこれを機に今までもみ消されてきた手持ちの案件を風紀にぶつけてみるらしいことが書かれていた。





『今風紀委員が揺らぎ始めている、叩くならここだ。』




という文言で締めくくられていた。




「なるほどなるほど。」


「伝えておけって話だったからさ。」


「うん。ありがという銀次郎。」



「あ、あと、もしかしたらくるみのとこにも来るかもしれないから対応しろってさ。」





それは、あの元風紀の人と委員長が来るということだろうか。


なんのために来るんだ?




むしろいいんちょーはあたしに絡んでほしくないからわざわざ来たりしないだろう。





「くるみ、あれじゃね?」



マリリンの指さす先に視線を向けると教室のドアのところに委員長がおりましたとさ。




「タイミング良すぎかよ。」




銀次郎がぼそりとつぶやいた。