「ごめんあそばせお二方。」
やんや、やんやとふざける二人にしびれを切らしストップをかける。
だってさだってさ、今って結構重要なシーンだと思うんだあたし。
あたしの人生のターニングポイントになりうる重要な告白イベントだと思うんだ。
今日このタイミングでマリリンへの気持ちを自覚して、
お互いに意識し始めて、
今までみたいに簡単に触ったりしゃべったりできなくなって、
二人の距離がうまく図れなくてモヤモヤしてマリリンと喧嘩して、
少し距離を置こう的展開につながってしまうかもしれない大事なシーンなはずなんだ。
え、この先の未来であたしマリリンと決別するの?
それは困るな。
せっかく好きだって自覚したのに決別endに向かっていかなければいけないなんて、鬼畜すぎやしないかい。
「どうした、くるみ。」
「マリリン、あたしはマリリンと決別するなんて嫌だからね。」
「え、今二人の気持ちの確認が終わったはずなのに、なんで別れる話なんてしてんの。」
「間違えた。なんで今大事な告白シーンなのに海先輩に構ってるのさ。くるみさんおこですよ。おこ。」
海先輩の頭を一発スパンと叩いてマリリンに訴える。
そもそも海先輩がここにいるからいけないんではないのか。
「いってぇよ馬鹿。お前、言っとくけどオレがここにいなかったら今頃お前、この狼男の餌食だからな。
ぱくっと一口でおいしく頂かれてたからな。」
「マリリンは狼男じゃなくて天使だよ?ね?」
「くるみ、そういうお前が天使みたいだからやめてくれ。何、構ってもらえなくてさみしかった?」
「そうとは言っておらんだろうよ!」
「俺にはそう聞こえたよ。あと、くるみが嫌だって言っても別れてなんてやらねぇから、安心しろ。」
「…えー、江橋って澄ました顔して結構束縛強い感じ?縛り付けすぎる男は嫌われるぞー。」
「…くるみ、一緒に帰ろか。」
「うん!帰ろう!」
「うわーお兄さんのこと無視したこの子たち。お兄さん悲しいなあー。」
「お兄さん、馬に蹴られてください。」
「マリリン、さすがの海先輩でも馬に蹴られたら死んじゃうから、ポニーとかにしてあげて。」
「ポニーでも怪我する自信あるわ。」
「怪我で済んでよかったね!」
そう言う問題ではないという目を向けられました。