やけに真面目な顔で話す副会長に、失礼ながら顔をゆがめてしまう。

いや、あたしが副会長に対して失礼なのは初めからか。



「自分が女であることは自覚してますし、自分の力量に見合わないことには手を出しませんよ。

これはやばいなってラインは今までの経験上把握しているつもりなんで。」




「それが過信だっていってるの。
君は気合を入れるタイミングが遅いというか、危機感を持つまでに時間がかかる気がする。」



「…そんなことないっすよ。」



「そんなことある。確かに君は人より強いし、男子にだって引けを取らないくらいの戦う力がある。

でも、やっぱり女の子なんだよ。根本的な力では男にかなわない。」




「…そんなことないですって。」



「……本当に君って頑なだね。じゃあ、実際に思い知らせようか?」




授業開始のチャイムが鳴った。

すでに昼休みの喧騒は鳴りを潜め、静まり返る校舎の一角。



以前3年のお姉さまたちに連れ込まれた資料室に再び引きずり込まれたあたしの姿を見ることができた人はいない。