「あたしもそろそろ戻りますね。
マリリンが心配して待ってると思うので。」


「出た出たその江橋大好きですって顔。嫌になるねー」




早く戻りたいのに副会長がうざいです。
どうしたらいいですかね。無視か。

無視が最善の選択。




「じゃ、またなんか動きあったら連絡お願いしますね。」


そのまま生徒会室を出ると副会長まで一緒に出てきた。




「くるみちゃん、せっかくだから一緒に教室までいこうか。」


どうしてくれようかこのメンタルクラッシュマン。



「拒否します。」


「そんなにつれないこと言わないでさ。オレだってこう見えて結構傷ついてるんだよ?」


「そのまま致命傷を負ってください。さようなら。」



笑顔で人の手を握ってくるこのメンタルクラッシュマンを物理的にクラッシュしたいんですがいいですかね。

いいですよね。




「くるみちゃんさ、あんまり無茶したらダメだよ。」


「…なんの話ですかね。」



「昨日は2年の奴らに絡まれたらしいね。」



「それが何か。」



「それにさっきの話では学校外でもヒーローみたいなことしてるみたいだったし。」



「万引き止めた話ですか?それは当然のことでしょう。

犯罪に目をつぶれと言うんですか。」



「そうじゃないけど、君が自分の手で止めなくても周りに助けを求めたり、協力を仰いだりすることはできるでしょ。」



「…結論はなんですか?」



「君は自分の強さを過信しているところがあるのかもしれない。

今まではうまいこといって怪我を負わずにここまで来た。けどこれからはどうなるかわからない。

君は自分が女の子であることをちゃんと自覚した方がいい。」