と、その時購買前の混みあった人だかりの中に、あの平凡な特筆することがない系の風紀くんがいるのを発見した。
「海先輩、今日マリリンと映画に行くんですけど、一緒に行きます?」
「あ?なんだよ急に。
…お前らと一緒とかうざそうだから行かねぇ。」
海先輩は急な話題転換に一瞬不思議そうな顔をするも、あたしの視線の先を見て話を合わせることにしたようだ。
マリリンは頭上にクエスチョンマークを浮かべているが、話の成り行きを見守ることにしたらしい。
「え、行きましょうよ。新しく始まったやつ見に行くんですよ。
氷雪系最強プリンセスの次は水属性の海使いですよ。見なきゃダメでしょ。」
「でも水属性だと氷雪系最強には絶対勝てねぇよな。」
「そこは戦うんじゃなくて味方につけるのが正解じゃないですかね。」
向こうもこちらに気付いたようで、おもむろにこちらに近づいてくるのが視界の端に見えた。
だが絶対に視線は海先輩から外さない。
気付いていることに気付かれると面倒だ。
「…あ、昨日の。」
「あれ、風紀の人だ。」
あくまで今気づきましたと言わんばかりのリアクション。
「昨日はどうも。あの後いいんちょーは大丈夫でしたか?」
「あ、忘れろって委員長が言ったじゃないですか!」
「おっと、そうだった!!それを忘れてた!」
そう言えば昨日風紀室から出る前にいいんちょーに「忘れろ」と言われていたんだ。
ま、もうマリリンにも海先輩にも話しちゃった後だからどうにもなんないけどね。
「くるみ、昨日なんかあったんか?」
海先輩ったら、しっかりとぼけてくれちゃって!

