思い立ったが吉日ということで、愛用のあいぽんを起動して羽島会長に電話をかけるも呼び出し音が続くだけで応答がない。
仕方ない、まだ学校で仕事をしているのかもしれない。
じゃあハム先輩に、と思い電話を掛けるがまたもや不発。
では女神角田さんに、と思うもこれまた不発。
…これはみんなで会議でもしているのかもしれないな。
帰宅部エースであるあたしが家にいても、生徒会はきっとお忙しいんだろう。
2学期の終業式の話し合いでもしているんだろう。
でもまだ望みは残されているぞ、と気を持ち直して熊のような駒井くんに……
『…おかけになった電話をおよびしましたが……』
お出になりませんか。
そうですか。
もうこれは本気会議だな。
みんな電源切って本気会議をしてるんだ。
きっとそうなんだ。
「……副会長にもかけるか、一応。」
どうせ本気会議をしているところだから出ないだろうが、生徒会全員にかけて副会長にだけかけないと後でうるさそうだ。
なんで自分にだけかけないのなんでなんでねぇなんで、とお前はメンタルがどうにかなってんじゃねえのかと思いたくなる絡みを易々と想像できてしまった。
あたしのメンタルがどうにかなっちゃいそうだよこの野郎。
仕方なしに電話帳の『腹黒』をタップし呼び出された番号をタップした。
どうせ出ないんだから3コールで切ってしまおう。
はい3コーr…『もしもし?』
「出んのかよ!!」