『その日の報告はその日のうちに』



魔王兼マフィア葛西先輩との約束である。


約束させられたと言った方が正しい。




家に帰ってすぐに風紀室での出来事とそこに至るまでの状況を電話で説明した。


面倒だとか思ってないからマジで。





どうやら魔王葛西先輩の隣にはちょうど悪魔海先輩がいたらしく、ハンズフリーでこちらの声は向こうに筒抜けになっているようだ。





『くるみって、本当に猪突猛進というか、まっすぐ馬鹿というか、考えなし馬鹿っていうか、馬鹿だよね。』



「散々遠回りした結果、シンプルに馬鹿ってことですか。つらい。」



『だっていきなり向こうの本丸に突撃するなんて、普通は思わないじゃん?』



『いや、この馬鹿ならやると思ってた。』




「さっすが海先輩。よくわかってるぅ!」



『うざい。切るぞ。』



「ごめんなさい。」



『まぁまぁ。海もくるみ寄りの思考回路なのはわかってるから。落ち着いて。

で、くるみ、これからの動きだけど…』





サラッと海先輩をかわす葛西先輩もさすがっす。

魔王なだけあるぜ。




そのあと、今後も風紀には探りを入れるが、いきなり関わりを増やすと怪しまれるだろうということで当分は風紀に近づくなとの指令。


ではどのようにして探ればいいのか。