「風紀委員長には会えたのか?」
「うん。なんか面白い人だったよ。追いかけっこみたいなぐるぐる回ってきたの。」
「は?風紀室で?」
「そう。女の子が苦手なんだってさ。だから、顔を覗き込もうとすると逃げるのよ。
で、ぐるぐる回ってた。面白かった。」
なんだか敵の大将な割にはお茶目な人だったな。
イメージとは全然違った。
「敵なんじゃねーの。」
「そうなんだけどね。追いかけっこの末にタックルしちゃってさ、そしたら隠れて体育座りしちゃったの。
面白いでしょ?」
「どういう状況だよそれ…」
本当にどんな状況だよって感じだったけど、思っていたより変な人ではなかったな。
あ、でも先輩たちに対しては結構ひどい物言いだったな。
偏見に固まった人なんだろうか。
「まだなんとも言えないなー。でも弱点は分かったからまぁ収穫ありってことで。」
女の子が苦手ならば困ったときにはあたしが突撃すればいい話だ。
これは大収穫だろう。
「風紀委員長のくせに女子が苦手とか大丈夫なのか?」
「あたしに聞かれても…なんか苦手だから極力視界に入れないようにしてるっぽい。」
「だから追いかけっこになったのな。
嫌がる委員長をお前が追いかけて嫌がらせしたと。」
「その通り!」
どや顔で言うと弱い力で頭をぺちりと叩かれた。
「嫌がる相手に嫌がらせしてはいけません。」
あきれ顔でため息をつきながらそんなことを言う優しい大天使マリリン様にキュンときた。
「相手が副会長だったら?」
「どんどん嫌がらせしたれ。」
悪い顔でニヤッと笑う堕天使マリリン様にもキュンときた。
つまりはどんなマリリン様にもキュンとくるってことね!
「さすがマリリン様!敵わないぜ!」