「いいんちょー、ぶつかってすみませんでした。
あの、いいんちょーは女子が苦手なんですか?嫌いなんですか?」
デスクの裏に隠れるいいんちょーに問いかけると、ピクリと肩が揺れたがまたもや無視だ。
顔は膝に埋められていて表情が見えない。
「嫌いなんですか?」
もう一度問うと、わずかに首が横に振られた。
「苦手なんですか?」
今度は首が縦に振られた。
苦手なのか。
苦手なものにタックルかまされるってどんな気持ちなんだろう。
あたしだったら副会長にタックルされるようなもんか。
……それって最悪だなぁ。
でもあれは苦手っていうよりは嫌いって感じだからなぁ。
まぁどっちみち最悪だ。
「あの、本当にすみませんでした。」
謝ってもフルフルと肩を震わすだけだ。
「わ、わざとじゃないんですよ?
いいんちょーが女子が苦手なんて知らなかったですし…というか、いいんちょ!
あたしのこと女子だと思わなくてオッケーっすよ!
ね、ほら、あたしのお顔ちゃんと見てみて!
女の子はもっと可愛い生き物ですから!
あたしなんかを女の子と思ったらダメ!」
必死に語り掛けると、ちらりといいんちょーが顔を上げた。
本日二度目。いいんちょーと目が合う。
「ね、大丈夫でしょ?可愛くないから女子じゃない!」
にっこり笑顔で安心させようと思ったら、思いっきり顔をそらされた。
これも本日二度目だ。

