「あの、委員長?」
呼びかけても反応しない。
というか、反応はしているがこちらを見ない。
無視している。
ピクリとわずかに揺れる肩が聞こえている証拠だ。
「委員長。」ピクリ
「委員ちょー。」ピクリ
「ふーきいーんちょー」
「……その馬鹿みたいな呼び方はやめていただけないだろうか。」
「おお。やっと返事が来た。
けどこっちは見ないのですか。なんでこっち見ないんですか。」
「……で、お前らはこの女子を捕まえて何をしようとしていたんだ。」
「また振り出しに戻ったっすね!
いーんちょー!ヘイ!こっち!こっちにいますよー」
もういいんちょーがこっちを見てくれないのなら、あたしは自ら視界に入り込んでいくスタイルでいくよ。
無視されるのは好きじゃないのでね!
「…っ、その呼び方はやめてくれと言った。」
「お話しするときは相手の目を見てお話ししません?」
あたしがのぞき込むと顔を背けるいいんちょー。
のぞき込む、背ける、のぞき込む、背ける、エンドレスでの攻防。
「いいんちょ、これでは話ができませんで。」
「…オレは特に話すことはない。」
「あるでしょうよ!一応被害者として連行されてきたんすけどー」
「自分でただ話していただけと言ったじゃないか。」
「でもいいんちょーはそれを嘘だと言い切ったじゃないすか。」
この会話の間、ずっと二人でぐるぐるしている。
だっていいんちょーが止まってくれないんだもの。
「…オレたちは何を見せられているんだろう。」
「委員長ってあんな感じだったっけ?」
「…委員長は女子が嫌いなんです。」

