「またお前らか。」
「マジで何にもしてないって。」
「風紀室に常連のお前らの言葉なんか信じられるか。」
「マジマジ。というかいつも持ち物とかで引っかかるだけで、そんなに悪いことしてないじゃん?」
「…何してたんだ?」
言い合う双方は放っておいて、委員長を観察する。
きっちり止められた制服のボタンに、窮屈そうな緑のネクタイ。
緑ってことは2年生だよな。
短い黒髪に、シルバーフレームのメガネ。
目の下にうっすら隈があってあんまり健康そうじゃない印象。
身長は170センチ後半って感じかな。
「先輩たちは何もしていませんよ。本当にあたしとお話ししていただけなんです。」
何をしていた、何もしていない、の問答を延々と繰り返す先輩たちに割って入ると、初めて委員長の顔がこちらに向いた。
「…………。」
と、思ったら、何も言わずに思い切り顔を背けられた。
「え、あの…」
「じょ、女子にこんな嘘を言わせるとは、お前ら最低だな。」
「はぁ?言わせてるわけじゃねぇし!」
「どうせ嘘だろう。」
「え、あの、だから、何もなかったんですって。別に嘘言えとか言われてないですよ?」
「で、何をしていたんだ?」
「何もしてないって本人も言ってるじゃーん。」
「だから、それはお前らが言わせた嘘だろう。
なんだ、弱みでも握っているのか?」
「はぁ?なんでそうなるんだよ?」
再び始まった何をした、何もしていない問答。
その間委員長は一度もこちらを見ようとしない。

