マリリンがポスターの案を海先輩に渡したのは、驚くことに翌日のことだった。
「仕事が早いな。」
ヒーロー部本部で広げられたポスターのデザイン画が数点。
どれもかっこいい。
マリリンのセンスがうらやましいぜ。
「まぁ、早い方がいいのかなと思ったので。」
「マリリンのハイスペックさの底が見えない…」
「俺はこんなもんじゃねえ。」
「かっけぇ。惚れる。」
「惚れろ。」
「お前ら本当になんでそれで付き合ってねえの?」
「マリリンが天使様だからっすかね…」
しみじみと遠い目をしていると海先輩に殴られた。
叩かれたじゃなくて殴られたというのが重要。
超痛い。
「デザインはこんな感じでオッケーだ。いい仕事するな。」
「俺、ヒーローとか好きっすから。」
「それは昨日の話でなんとなく分かってた。」
マリリンが描いてきたポスターのデザイン画はシャーペンでささっと描かれたものだったけど、どれも躍動感あふれる仕上がりになっている。
これに色がついたのを想像するとワクワクが止まらない。
「どれにします?
もし納得いかないなら他のも描きますけど。」
これで納得いかないとか言ったらあたしが海先輩を殴るから安心しておくれ!
ただでさえ最近美術部の活動で忙しいマリリンのお時間とセンスをいただいているのに、そんな我儘くるみちゃんが許しません!
「あー、これだな。これが一番惹かれる。」
あたしの心配をよそに、海先輩は一番左端に置かれていたデザイン画を手に取った。

