馬鹿に馬鹿って言われた。
ショックを受けながらも銀次郎に隠れていても大して意味がないということが理解できた。
よし、この場で一番の年長者に保護を頼むとしよう。
「かっちゃん先輩、ちょっと盾になってあたしを守ってください。」
「は?嫌だよ。いちゃつくなら他所でやれ。俺を巻き込むな。」
「かっちゃん先輩、ちゃんと見てました?あたしの生命の危機なんです。
マリリンのデコピンの恐ろしさは前教えたじゃないですか!
海先輩の拳骨なんて、同じ中学出身者なら聞いただけで震えあがるような一撃必殺ですよ?!」
「……それを連続で食らってもピンピンしてるくるみちゃんにオレはびっくりだよ。」
「仁先輩でもタロー先輩でもいいです、助けてください。」
「牧村、お前のデコはまだくっついてるし、一撃必殺を食らっても生きてる。
だから安心してやられて来い。」
3年生たちが冷たいので、葛西先輩になつくことにした。
「葛西先輩、お守りください。」
座って胡坐をかいてる葛西先輩の背中の後ろに回りこみ、マリリンと海先輩から姿を隠す。
「えー、オレも海と江橋の相手はやだなあ。」
「そこをなんとか。あの天使と悪魔の相手が務まるのはあなただけです。」
「まぁ、全体的にくるみが勝手に煽って勝手に自爆して勝手に逃げてるだけなんだけどね。」
「そこんとこはちゃんと自覚してます。
でも、マリリンが美術部エースで気だるげな美青年で地上に降り立った大天使であることに相違はないですよ。」
「あーあ、またそうやって煽って。
オレもう知らないよ?」
狭い部屋の中、もちろん葛西先輩とあたしの会話はみんなに筒抜けである。
マリリンの顔が黒い笑顔になったことに気付いたけど、あんまりに美しすぎる笑顔だから直視できんかったわ。
怖すぎる。

