それいけヒーロー部


「オレたちは、とっくの昔に覚悟を決めてんだ。

それこそ、退学したってかまわないとも思ってる。」



葛西先輩と海先輩はこの部の創設者だ。

こうなることもわかっていたのかもしれない。




「一年のお前らは、オレらの我儘に付き合わされてるだけだ。

もし危なくなったら、オレらのこと売ってさっさと逃げろよ。」



葛西先輩のその言葉に、各々口を噤む。



確かに巻き込まれたのは否めない。

でも、さっきも思った通り『変えたい』気持ちは葛西先輩や海先輩と同じだ。



志を同じくしたもの同士、簡単に売ったり逃げたりなんてできない。




「あの、ちょっといいっすか?」



そこでマリリンが静かに口を開いた。




「俺、昔から思ってたことがあるんすけど、ヒーローって結構町を破壊したり、住民を危険にさらしたりしてるんですよね。

特撮のヒーローでもアニメのヒーローでも、結構周りへの被害って大きいし、悪に対しては力でねじ伏せることがほとんどなんです。


でも、民衆はそんなヒーローを責めないし、守ってくれてありがとうって言う。

それはたぶん、ヒーローの想いが民衆の想いと重なるからなんすよ。



……言ってる意味分かります?」




マリリンが頭をかきながら、少し恥ずかしそうに言う。

それを聞いてみんなが頷く。




マリリンの言っていることは、ヒーローのセオリーかもしれない。




「えっと、…さらに言うと、前提として悪があるからヒーローって存在できるんですよね。

悪に対抗して戦うためにヒーローは生まれる。

あ、もちろんここでのヒーローは単なる人気者とかではなく、英雄のことです。」




それはそうだ。

悪者がいないのであればヒーローは存在する必要がない。


戦う相手がいないのだから当然だろう。