あの変態野郎、あんだけ口止めしたってのにまさか風紀に情報売ったんじゃねえだろうな…。
「誰だたかちゃんって。くるみの新しい彼氏か。」
「…海先輩、冗談は死んでから言ってもらえますか?」
「…んな怒んなよ。で、誰なの。」
その質問にあたしと銀次郎と陣野くんで答える。
あの変態性を伝えるのは一人ではしんどい。
すべてを話た後に残ったのは、なんとも言えない空気。
一言で言うならば『うわぁ……』って感じだ。
「牧村、お前、健全な高校生男子に変な扉開かせてんなよ。」
「あたしだって開くつもりはなかったっすよ。不能になったらごめんねっては思いましたけど…」
「お前、あの技使ったんか…あれは禁術だって言ったのに。」
「教えたのは海先輩でしょうが。」
みんなでちょっと痛そうな顔してこっち見るのやめてほしいんすけど。
「たかちゃんって、孝則のことか…」
「確かにあいつ、各学年のフロア回って人探ししてたね。まさかくるみのこととは…」
2年の先輩たちは同学年ということもあり、たかちゃんのことを知っているらしい。
詳しく聞いたところ、本名は志田孝則。
お調子者で目立つし、遅刻ださぼりだとなにかとルーズで先生たちにも目をつけられている。
ただ目に余る違反は今のところ見つかっておらず、だらしないなシャキッとしろと教師や風紀に小突かれる程度だそうだ。
「じゃあ、そのたかちゃんとやらが牧村の情報を売ったのか?」
「うーん、どうですかね?確かに、現状考えると思い当たるのはたかちゃんだけなので、かっちゃん先輩が言う通りなんでしょうけど…」
「何が引っかかってんの?」
「いや、たかちゃんがあたしの情報を風紀にしゃべる意味が分からないです。
しゃべったら芋づる式に自分たちがしていたことも話すことになると思うんですよね。
あの人たち、喫煙にリンチまでしてたんですよ?
そんな人がわざわざ自分から風紀に近づきますかね?」

