「くるみ。遅かったな。」
「マリリン!お迎えに来てくれたのかい?」
副会長と教室に向かって歩いている途中で、マリリンが現れた。
「もう昼休み終わるってのに戻ってこねえから、またなんかに巻き込まれてるのかと思って。」
そんなに時間がたってしまっていたのか。
あたしが教室を出たのが昼休みが始まってすぐだから、20分以上戻らなかったことになる。
…昼飯食いっぱぐれた!
「……そいつが原因?」
そこでマリリンがあたしの隣にいた副会長に視線を向ける。
その目は明らかに棘のあるもので、あたしに向けられたものではないのに少しひるんでしまった。
「原因といえば原因だけど、直接的なものではないかな。」
そんなマリリンに対して副会長はいつもの黒い笑顔を返す。
この人ビビったりしないのかな。
「くるみのこと、余計なもんに巻き込まないでもらえますかね。」
「オレも巻き込みたいわけじゃないんだけど、どうにもうまくいかなくてね。」
「…前に言いましたよね。あんたにはやらないって。」
「確かに言われたね。
…でも、だからってはい分かりましたとはいかないでしょうよ。」
…二人の周りが吹雪いているように見えるのはあたしの幻覚だろうか。
すげぇ!
これはまさしくブリザードだ…!
「…くるみ、どうせ馬鹿なこと考えてるんだろ。
お前のこと話してんだからもうちょっとちゃんと聞いとけ。」
「聞いてるよ!
あたしはマリリンのもので副会長にはやらねえぞって話でしょ?」
「…なんでこの子当事者のはずなのにこんなに暢気なんだろう。」
「ちなみに言っておきますけど、あたしはマリリンのものなので、副会長がいくらちょっかいをかけようと、揺らぎませんよ?」
だってあたし、マリリンのこと大好きだもの。